約束を売買?|デリバティブ超入門

Money compass

突然ですが、デリバティブって知っていますか?

聞いたことないですね…

暮らしに身近で、あなたも買える金融商品なんだ!

株式なら知っているけど…

株式と比べると、市場規模は2倍以上もあるんだ!

データ引用元:JPX日本取引所グループ

え、知らなかった!

ちなみに、筆者はこの世界で10年やっています。

ベテラン!

さて、一体デリバティブとは何なのか!?

詳しく解説お願いします!!

どのようにしてデリバティブは生まれたのか?

クイズです!
(組織的に)デリバティブが行われた最初の国はどこでしょうか?

なんとなく…アメリカかな?

残念!

じゃあ、日本?

正解!
(江戸時代に)大阪で米の取引をするときに、デリバティブが行われたのが始まりとされているんだ。

米の取引がデリバティブ?

どういうことなのか、具体例を用いて解説していきます。

米農家と商人のお話

お米の価格は、その年の天候や収穫量、需要などの影響を受けて、収穫期の8月に決定するとします。
収穫期前の5月の農家の会話をご覧ください。

[5月]

農家
農家

今年も例年通りの価格が付くだろうか?

農家
農家

そうだね、今年は干ばつもあったし、どうだろうね…

その当時、収穫期まではお米の価格が全く付かないという状況でした。
つまり、「安定収入が約束されていない」という不安な日々を送っていました。

農家
農家

サラリーマンで言うと、来月の給料がいくらなのかの見通しが全く立たない状態と同じだよ。

農家
農家

そんな状態で、家や車などを買えるかしら?

そうだね!
そこで、収入を安定させたい農家としては、ある秘策を思いつきます。

農家
農家

5月時点で米の価格を決めて、その価格で8月に取引をするというのはどうかしら?

農家
農家

いい考えだ!

[5月]

農家
農家

今年のお米は、1石(約150kg)2両でどうでしょうか?

商人
商人

いいだろう。取引しよう!

商品(お米)がない状態で、”約束”を売買しています。

商人がお米代を支払うのは、お米を受け取る8月です。
それまでは、約束を取り付けるためのお金(証拠金)を支払います。
これがデリバティブです。

デリバティブ(派生商品)
モノや金融商品から派生する約束・権利を売買すること。

そして、先の商品を取引するので、先物取引と言います。

農家
農家

8月にしか決まらなかった価格を5月に確定することができた。

農家
農家

これで、少し先の見通しが立つから安心だね。

このように、農家側は、先の見通しが立たないリスクを回避することができます。
これを「リスクヘッジ」と言います。

そして、もう一つ!

商人
商人

5月には2両でも、8月には価格が上がっている可能性もあります。5月に2両で買う約束をすることで、8月に10両に上がっても2両の支払いで購入できます。それを、転売をすれば、8両の儲けになります。

つまり、投機だね!

投機
株式や商品の価格変動を利用して、短期的な売買で利益を得る行為。

このようにして、デリバティブ(先物取引)は生まれたんだ!

未来の価格を予測できるか?

結論、(少なくとも私の知る限り)できません。

うーん、そうなのかな?

皆さんに馴染みのある株を例に考えてください。
ある企業の株が、明日”上がるか”、”下がるか”を当てられますか?

情報をしっかりと集めたら、当てられるんじゃないかな?

そう考えてしまいがちですが、実際にはできない。

どうしてですか?

”上がる”と思っている人は買う。”下がる”と思っている人は売る。
今の価格は、そのような人達が調べた情報の全てが織り込まれているからです。

つまり、「新しい情報が入らないとわからない」ということですね?

その通り!
既に織り込み済みの情報では未来は予測できないということだ。

だから、トレーダーは毎日画面に張り付かざるを得ないのか…

そうなんだ。
時事刻々と更新される情報を処理をしているんだ!

大変な世界…片手間では難しいですね。

いや、諦めるのはまだ早い。

何か秘策でもあるんですか?

そうだね。
簡単なゲームをしながら考えていこう!

コインを投げて、表なら右に1マス、裏なら左に1マス進むゲームをします。
Start地点から、コインを10回投げると、Goalのどの地点にいるかを予想してください。

みんなは、どの地点を選んだかな?

これ、予知能力でもない限り、確実に当てるのは無理ですよね?

そうだね!
酔っ払いの次の一歩が、右か?左か?わからないのと同様だね。
これを「ランダムウォーク理論」と言います。

結局、当てられないということじゃないですか〜?

そうではないんだ!
大事なのは、全てを当てるという考え方を捨てること。

それは、トータルで当てる回数が多ければ良いということですか?

そう。確率的に勝てれば良い。

具体的に解説お願いします。

コインは表と裏のそれぞれが出る確率が50%なので、10回投げると、表が5回、裏が5回出る確率が最も高い。つまり、中央が最も頻度が高く、両端が最も頻度が低くなります。

この発生頻度分布を「正規分布」と言います。

これは、どのくらいの確率で、どの地点にいるかがわかる分布ですね!

その通り!
確率の分布がわかれば、あとは数学を使うことで予測できるんだ。

確率的に推測できることはわかりました!
ただ、本当に上手くいくのかな?

もちろん、絶対ではない。
ただ、”商品”という所にポイントがあるんだ!

株などとは違う所ですね?

そうだね。
例えば、1年の中で、アイスはどの時期によく食べる?

やっぱり夏の暑い時期が多いですね。

ありがとう。
もちろん、「冬によく食べるよ」って方もいると思う。
ただ、統計的に(大人数を押し並べて)見ると、夏の7月〜8月がピークになる。

「アイスクリーム月別支出金額」を見ると、よくわかりますね!

引用元:一般社団法人日本アイスクリーム協会 「家計調査実績」

このように商品には、必ず一定の傾向があるものなんだ!
この例では、”気候(気温)”だね。

だから、推測し易いということですね?

そういうこと!

こうして、計算により予測ができるからこそ、デリバティブが金融商品として生まれたんだ。
@シカゴ(1972年)

デリバティブは、先物取引以外に、あと2つあります。

  • オプション
    商品を決められた期間に決められた価格で売買する”権利”の取引
  • スワップ
    一定期間、決められた条件下で”キャッシュ・フローを交換”する取引

詳細は、またの機会に!

ユニークなデリバティブ

こんなユニークなものもあるよ!という紹介です。

倒産リスク

実は、リーマンショックに影響したと言われるのもこのデリバティブなんだ!

えー!?

当時、リーマン・ブラザーズの倒産リスクのデリバティブが大量に売られていたんだ!

そんな時に、リーマン・ブラザーズは倒産したということですね。

そうだね。倒産して、デリバティブを売った保険会社は保証金を支払いきれなくなり、保険会社倒産の不安から株価の大暴落へと繋がったんだ。

リーマンショックにも関係していたとは驚きです。

ストックオプション

ストックオプション
自社株を予め定められた価格で取得できる権利

私、自社株持ってますよ!

自社株を社員に与える会社もあるね。
持っていてどんな心境かな?

日々の上がり下がりが気になりますね…

そうだよね。
購入時の価格が基準となるから、マイナスだと気が気ではないよね。

それに、株が下がるのが怖くて、仕事でも守りに入ってしまいます…

それが自社株の難点の一つと言われている。
それに対して、ストックオプションは、ある金額で自社株を買う”権利”を与えるんだ。

つまり、ある金額以上にして、権利を行使すれば儲けが出るということですね!

そうだね!

そうなると下がるというのがあまり気になりませんね。
仕事でも攻めに転じることできそう!

そうなんだ。
それが、良い結果を招くこともあるんだ。

天候デリバティブ

天候デリバティブ
天候によって被る損失を軽減するために、天候の「基準値」と「実績値」の差異に応じて、金銭の受取が発生する取引

先のアイスの例で言うと、売上に影響するのは、気温だね。
例えば、1ヶ月の中で、気温が25度以下になる日が8割だと保証が発生するとする。

保証が発生すれば、損失を保証で補填できる。

そうだね。逆に、保証が発生しない場合は、暑い日が多いということなので、アイスの売上は上がる!

デリバティブでは損しても、本業のアイスで補填するということですね!

その通り!

これが、どっちに転んでも良い、リスクヘッジということですね!

正解!
大分、詳しくなったね!
知識もついてきて、やりたくなってきたと思うので、以下のアフィリエイ・・・

・・・どうやら、ないみたい。

自分で探しまーす!

以上です!
最後までお読みいただきありがとうございました。

※投資判断は自己責任でお願いします。

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