「子の心親知らず」
親は子供の真意を汲み取れない、という意味で用いられる言い回し。Weblio辞書
わが子への期待値はどれくらいですか?
生まれて間もない頃は、親が寝かせておいた場所に確実にいた我が子も、寝返りを覚えてからというもの、トントン拍子で行動範囲を拡大していった。
ハイハイで、平地をかけずり回り、つかまり立ちで、段差を力強く乗り越えて、今となっては走り回り、自転車を乗りこなすまでに成長した。
日々、新幹線のように猛スピードで進化していく子どもの姿を見て、親としての期待はどんどん膨らんでいくことでしょう。
子どもへの期待
一つの指標として、「将来就かせたい職業ランキング2021年度版」を紹介する。
(男の子の)親に聞きました。
1位 公務員 25.3%
2位 会社員 10.3%
3位 医師 6.1%
4位 エンジニア 5.4%
5位 スポーツ選手 5.3%
:
7位 警察官 4.9%
:
9位 消防・レスキュー隊 4.1%
これが、親の期待。
対して、子ども達(男の子)の意見を聞くとこうなる。
1位 警察官 17.2%
2位 スポーツ選手 13.0%
3位 消防・レスキュー隊 7.6%
4位 運転士・運転手 7.4%
5位 TV・アニメキャラクター 6.7%
:
7位 Youtuber 3.4%
親は、堅実と安定を願う気持ちが強く現れる一方、
子どもは、人々の安全を守るヒーロー像に憧れを抱く傾向が伺える。
親の期待通りにはいかないものだ。
ちなみに、うちの息子にも聞いて見た。
アンパンマン
まぁ想定の範囲内の回答。
先のアンケートで言えば、「5位のTV・アニメキャラクター」で世間ともあながちズレてはいない。
一応、理由も聞いてみた。
バーンって、やってパパを倒す
理由は少しいただけない気もするが、
この夢がどのような変遷をたどるのか見ものだ。
過去から紐解くランキング
ランキングの面白い所はここから。
1992年から実施しているこの調査。
過去を追うことができる。
今回注目したのは、
「2位の会社員」
実は、年々順位を上げている。
アンケートを開始した1992年は、7位。
そこからサラリーマン精神で、コツコツと実績を積み上げてきた。
1992年(29年前):7位
2001年(20年前):4位(↑)
2006年(15年前):4位(→)
2011年 (10年前):5位(↓)
2016年 (5年前) :4位(↑)
2020年 (1年前) :3位(↑)
2021年 (今年) :2位(↑)
この背景には、バブル崩壊後の10年(〜2005年)に渡る”就職氷河期”、氷河期を脱したのもつかの間のリーマンショック(2008年)、そして売り手市場へと繋がる浮き沈みの歴史がある。
今は上昇トレンドだが、沈む予兆は見え隠れしながら確実に迫っている。
会社員に未来はあるか?
世界企業番付と言われる、Fortune Global 500をご存知だろうか。
簡単に言うと、世界上位500社が総収入に基づきランキングされるというもの。
ここから、会社員としての戦略を考えていく。
1位 ウォルマート(小売り:米)
2位 State Grid(電力配送:中)
3位 アマゾン(オンライン販売:米)
4位 China National Petroleum(石油:中)
5位 Sinopec(石油:中)
6位 アップル(デジタル製品:米)
7位 CVS Health(ヘルスケア:米)
8位 UnitedHealth Group(ヘルスケア:米)
9位 トヨタ自動車(自動車:日)
10位 フォルクスワーゲン(自動車:独)
アメリカ、中国が上位独占という状態。
世界500位の中で日本企業は53社ランクイン。
国別で見ると、アメリカ、中国に次いで3位という結果。
ただ、ランクインしたからといって、将来が確約されたものでは決してない。
それは過去からの変遷を見るとわかる。
ランクインする企業の平均寿命は、75年(1975年)→15年に短命化。
20年前に、ランクインしていた半数の企業は今は存在しない。
企業寿命はかつての5分の1。
人も寿命も5分の1かと言えば、そうではない。
むしろ、伸びている。
日本では、人生100年時代に突入し、この結果だけ見ても一つの企業にしがみついていられる状況ではないことがわかる。
会社員であれば、もれなく終身雇用が約束されていた、あの時代は終わりを告げた。
上司に媚びへつらい、その組織固有のスキルを必死に身につけ、染まっていれば安心だった。
もうそんな時代ではない。
次の時代を生き抜くために、時間をかけて息子と考えていこう。
まずは、アンパンマンの次の夢を見守るとしよう!