「集団同調性バイアス」
どのように行動してよいか迷ったときに周囲の人と同じ行動を取ることが安全と判断する心理傾向のこと。シマウマ用語集
さて、いきなりですが、問題です!!
交通信号機に使われている色をお答えください。
(Thinking Time)
赤・黄・青(緑)
正解です。
実は、もう1色使える色があることをご存知でしたか?
交通信号機に使える色は、CIE(Commission internationale de l’éclairage:国際照明委員会)という、光、照明、色などを規定する国際標準化団体によって、赤・黄・白・緑・青の5色と決まっています。
日本は・・・日の丸の赤!
というように、自由に決められるものではないのです。
理由は単純で、各国での混乱を避けるため。
同じ”赤”でも、ある国では「進め」で、別の国では「止まれ」だったら、どうでしょう?
特に、世界中を行き来する航空機や船舶などは、発着する国ごとに色が異なれば、パニックになることでしょう。
自動車免許証をお持ちの方に問題です。日本での、赤・黄・青の信号の意味をお答えください。
(Thinking Time)
赤は、「止まれ」
黄は、「注意して進め」
青は、「進め」
と答えた方、私と一緒です。
教本をもう一度おさらいする必要がありそうです。
どうでしたか?
全問正解できた方はさすがです!
赤と青は、ニュアンスの違いはあれど、ここは問題ないと思います。
落とし穴は黄で、ここで全問正解を絶たれた方が多いと思います。
参考サイトでも、「注意して進め」という誤認に警鐘を鳴らしています。
ちなみに、正確な定義はこちら。
『道路交通法施行令』の第二条
黄色の灯火
一 歩行者は、道路の横断を始めてはならず、また、道路を横断している歩行者は、すみやかに、その横断を終わるか、又は横断をやめて引き返さなければならないこと。
二 車両及び路面電車(以下この表において「車両等」という。)は、停止位置をこえて進行してはならないこと。ただし、黄色の灯火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く
なお、青は「進まなくてもいいんだよ?」とウンチク垂れて、”わざと止まる”のは危ないのでダメですよ。
ちなみに、3歳の息子にもテストしてみた。
(とりわけ、教えたことはない)
りんご(赤のこと)は、「止まれ」
すっぱいの(黄のこと)は、「進んでもいけません」
メロン(緑のこと)は、「進め」
と回答した。
黄を”すっぱいの”と表現するのは、ひとまず置いておくとして、「進んでもいけません」とはややこしい表現を使うものだ。「進んでも良い」の反対語のつもりなのだろう。
「止まれ」のニュアンスを含んでいるので、ほぼ正解かな。
きっと、こども園で習ったのだろう。
いい先生に巡り合ったね。
日本人特有の心理
きっと教習所で習った時は、正確に理解していたはず。
では、このような誤認はどうして発生したのか?
日本人は集団を尊重し、和を乱さないことを行動原理とする傾向がある。
たとえ、正しい行いであっても、集団の中で浮いてしまえば、それは悪だと見なされる。
また、逆も然りで、悪い行いも、最初は良心と葛藤しながらも、”和を乱すという恐れ”から、流されてしまう。
そして、”葛藤”という心理的な負荷から身を守るために、”合理化”し、自分の型となっていく。
『赤信号、みんなで渡れば怖くない』という言葉が流行ったのも、そのような心理を象徴している。
ふと、「今の行い大丈夫かな?」と定期的に振り返る(我に返る)習慣が大事だと思った。
皆さんも、正しい情報を上書きして、安全・安心なカーライフを!