「予言の自己成就」
根拠のない噂や思い込みであっても、人はその状況が起こりそうだと信じて行動すると、その予言が現実のものとして成就すること。アメリカの社会学者 ロバート・K・マートン
困難に直面した時、人としての真価が問われる。
よく困難を”ハードル”に例えることがある。
真っ正面から挑戦する場合は、「跳ぶ」を、
視点を変えて挑戦する場合は、「潜る」を選択する。
「ハードルは跳ぶものだ!」という人もいるだろうが、個人的には挑戦の仕方や姿勢は問わない。
すんなりとハードルの先に行けることもあれば、ハードルを倒してしまったり、直前で止まってしまうことも当然ある。
ここで、「続ける」か「止める」かの岐路に立つ。
ここでの行動が、その後を大きく左右する。
特に、子どもは毎日が初体験の連続。
1日の中で、複数のハードルに直面している。
跳ぶの結末
先日、公園で遊んだ時のこと。
半年前に、一度訪れたことのある公園で、当時はできなかった幼児用の”ジャングルジム”に息子は挑戦。
1段目は登ることができた。
(これだけでも半年前からは進歩)
次に2段目に足をかけたが、足がしっかりかからず、スルりと滑って地面に着地。
(ちょっぴりヒヤリ)
次も果敢に挑戦するかな?
と思ったが、「プイ」とそっぽを向いて、鉄棒の方へ走り出した。
その後は、ブランコをやったりと明らかに避けている。
ただ、合間合間に、”ジャングルジム”にチラチラと視線を配り、気にはなっている様子。
「やりたいんでしょ?」と聞くと、
うん
と頷く。
登り方を手取り足取り教えて、再トライ。
先ほどの失敗がフラッシュバックしているのか、手をかけたまま硬直。
息子は結構な慎重派。(階段も手すりなしでは降りないほど)
一度降りる。
両手を握り、「できる」と励ましてみる。
そして、肩車をしてゴールからの景色を見せた。
スタートとゴールは、体験した。
あとは、間をつなぐだけ。
できる?と聞くと、
できるよ!
と答えた。
そして息子は、力強く登り始めた。
1段目を慎重に登り、先ほど失敗した2段目に差し掛かる。
一瞬の躊躇を見せるが、克服して頂上まで進んだ。
「できる」と信じて挑戦した結果だろう。
また一つ、できることが増えた。
先ほどの躊躇していた影はなく、その後は、何度も頂上まで登っていた。
信じる ≠ 跳ぶ
信じることは、時として大きなパワーを生む。
ただ、信じてもできないことは当然ある。
それに何度も繰り返すと、できないことを学習してしまい、”学習性無力感”となり、やる気自体を消失することもある。
そのため、即座にやるか、時間を置いてやるか、どの程度サポートするか、の判断は非常に難しい。
毎回、私も明確な答えはない。
ただ、失敗しても成功しても、彼と向き合い、心に寄り添ったサポートは必要だなと感じた。